文化7年(1810)文政8年(1825)に幕府昌平校学問所が編纂した武蔵国21郡内各村の地誌です。馬橋村に関する内容が書かれてます。
馬橋村は郡の東の方にあり。郷庄の唱なし。江戸日本橋より行程3里半余。民家56軒。村の広さ東西6丁。東は高円寺村にとなり。西は阿佐ケ谷村に及び。南は和田田端の2村につづき。北は上沼袋村に接す。村内平野にして水田は中間にあり。天水場なれば水損の患あり。青梅街道村の南の方を高円寺村より阿佐ケ谷田端の2村へつらぬ く。村内にかかること凡6丁。検地は寛永16年。中川八郎右衛門 関口左衛門。承けてたたせり。御代官伊奈半十郎預り奉り。夫よりしばしばうつり替わりて。今は小野田三郎右衛門が支配所なり。
小 名後原 | 北の方沼袋村の境にあり。 |
中道 | 中ほどにあり。 |
田向 | 前のつづきにあり。 |
大塚根 | 南の方和田村の境を云。 |
蕎麦窪 | 西の方にあり。 |
西ノ久保 | 文字の如く西の方にあり。 |
用 水 | 西の方阿佐ケ谷村より来たり。村内をふること凡180間ばかり。東の方高円寺村に達す。未流は中野村にて神田上水に落合。 |
神 社 | ・稲荷社 除地1畝12歩(42坪)小名西ノ久保にあり。村の鎮守なり。本社2間4方。拝殿4間に2間。未申の方に向。前に鳥居をたつ。鎮座の年代群ならず。 ・御嶽社 除地4段25歩(1225坪)小名後原にあり。小祠にて上屋もわずかなり。 ・天満宮 除地4畝24歩(144坪) 前の並びにあり。小祠。平野にして雑木生茂れり。例祭9月25日。 3社いづれも村内福泉寺の持なり。 |
寺 院 | ・清見寺 年貢地3段 青梅街道の南側にあり。禅宗曽洞派にて。群中本郷村成願寺未。瑞雲山と号す。開山を鉄叟雄と云。北向。本尊千手観音。木の座像。長さ1尺7寸なるを安す。開基群ならず。 ・福泉寺 年貢地2段 小名後原にあり。群中中野村宝泉寺の門徒。本堂東向。2間半に6間。本尊不動を安す。木の立像にて長2尺2寸。開山を秀順と云。寛永14年。正月12日示寂。開基詳ならず。 |
土地面積の単位 | 町 3000坪 段(反)300坪 畝(せ)30坪 歩 1坪 |